伝家の宝刀、、「かあちゃん、、たのむわ~ 俺のために」

 

 

 

先週、母の友人から電話の着信があった

最近はそんなに、来ねえのに

 

「電話したけど、

居ないから、どうしたかね~?

風邪だって言ってたから

入院でもしたかと、

心配しています。」

 

と、留守電が入っていた

 

そんなに心配なら

もっと、来てくれりゃあ

いいのに

などと、

俺も勝手の良い事を

思ったりしてたが

 

丁度、先週

母を外出させて、

俺の自宅で昼食を

食べてもらおうと

妻と話をしていた

 

妻は

友人たちと会う事を

反対したが、

(思う事があるようで・・・)

 

結局、昼食後に

母宅で、友人二人に来てもらい

久しぶりに

話でも

 

ということにした

 

迎えに行くと

母は俺の顔を見ると

涙ぐむんだが、、

 

「やっと、帰れるだか?」

・・

(職員さんが苦笑してるじゃねえか

車に乗ってから言えばいいのに)

 

「今日はこれから

俺の家で昼喰って

その後、おふくろの家に行って

〇〇ちゃんと、〇〇ちゃんが来るから

話して、

夕方には

ココ

に、戻ってきて

ココ

で、また

泊まるだよ」

 

「はぁ~

また、ここに

来るだか・・」

 

つらい、瞬間だな

 

母は、この日も

やはり、あまり精気がなく

 

俺の気持ちも重かった

 

母は

妻の手料理を

「美味しい、美味しい」

と、いつものように食べ

 

散々、施設での寂しさを

喋りまくり

 

妻が行ってほしくない

トイレに

2度行き

 

ホッとする妻に見送られながら

俺の車に乗って

母宅に向かったが

 

友人二人との会話も

いつものように、

最近は、ついていけない

 

たまに、

トンチンカンな事を言うし

 

友人たちも

もう、分っているんだから

合わせりゃあ、いいものを

 

「何、おかしなこと

言ってる~~?

そりゃあ、違うよ~

ペチャクチャ

ペチャクチャ」

 

俺も30分ほど同席したが、

1時間ほど、座を外した

 

あの、ババアたち

ちったあ、ボケた方に

合わせろや

 

身勝手な事を思ったが

まあ、

来てくれるだけ有難いか

 

それにしても、あの二人

一人はまだ運転してくるし

一人は1日1万何千歩だか歩くし、

口は達者だし

 

母が独りになった頃、

俺が戻ったが

 

ベッドを見ると

電気敷き毛布の電気を入れてあった

 

「おい、今日はこれから

帰るだぞ、、アソコに

 

「え~~??

なんで~?

自分の家に泊れると思ったに~~」

 

「いや、アソコの部屋、冬の間借りてあるし、

俺がココ泊まると疲れるし・・

アソコに帰らんと、向こうが心配するし、、、

頼むわ~」

 

母の落胆は

激しいものだったよ

 

俺は1時間置きくらいに

「今日はアソコに帰って

寝るだぞ」

と、幾度も念を押していたのだが、

 

それでも、

その落胆の様子は酷かった

 

目を瞑り

溜息をつき

頭を垂れ

何度も、溜息、、

 

暗くなってきた窓の外

母と俺は

しばらく、無言で

交代に

溜息をついていた

 

 

・・・

ヘンな図

 

 

 

さらに精気を失った母を促し

母宅を出て

車に乗せる際

母は、

車内に脚を上げる力も残っていないようだった

 

俺が脚を持って

上げたくらい、落胆した様子で

 

返事もろくにせず

 

結局、車で施設に行く20数分

母も俺も溜息しか出なかった

 

施設の直前で

「気持ちはわかるけど、

息子のためだと思って、頼むわ

俺が倒れたら、全部終わりだからな

不甲斐ない息子で悪いと思ってる、

ごめんな」

(母はこういう俺のセリフに弱いのだわ、、)

 

すると、母は

「お前がごめんって言うこたあ、ねえわ

ごめんって言わなきゃいけねえのは、

かあちゃんだわ

かあちゃんが、長生きしすぎただわ

ヘボい親で、ごめんな

息子のためなら、かあちゃんは

嫌なとこでも、頑張るわ

それしか、ねえじゃ?」

 

と、

 

俺の思い通りの答え、

シメシメ

 

なんとか、施設の駐車場で

こじれた気持ちを治めた

 

こうやってみると

 

どうだ?

 

 

俺も

たいしたもんだろう?

 

 

 

つづく

 

 

 

 

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