請求書に頭を垂れつつ、ため息をつく・・・

 

 

土曜日、面会に行くと

車から降りると同時に

玄関の方から

大声が聞こえた

 

何の騒ぎか?

 

入所者が騒いでいるのか?

キャーキャー言っている

 

丁度、玄関方向が

逆光でまぶしくて

何も見えず

 

近くまでいってみると

 

鬼が居た

 

鬼と並んで

写真を撮ってもらってる

母がそこに居た

 

俺がそこに立っていても

 

鬼も

母も

撮影者も

俺に気付かない

 

「こんにちは」

 

声をかけると

 

皆、驚いたね

 

本当は

こっちの方が驚いたんだがね

 

「〇〇さん~~

もう、早速、福がきたよ~~

良かったねえ」

 

で、無理やり

俺も加わり、写真を撮らされた

 

そんな感じで

一見、とても施設で

楽しくやっているように見えるんだがね

 

一緒に部屋に行くと

母は急に帰りたがる

 

施設がつまらないこと

家にかえりたい こと

友達に会いたい事

のんびりテレビを観たいこと

自分の家で眠りたい事

(その家が何故か自分が生まれた実家になっているのだが・・)

 

もう、母の反応も決まってきたし

連れて帰れ

と、強くは言わなくなったが

 

髪の毛が伸びてきた

白いところも目立つ

だが、

もう、洒落っ気もなくなって

毛玉だらけの

ズボンを穿き

毛玉だらけの

セーターを着て

ぼさぼさの頭、、

土色の顔

遠くを見てるような、眼

 

なんか

こんなふうに

俺も慣れていくのかな

 

いつも重いけど

変えることも出来ずに

変える瞬発力や気力はなく

 

以前なら

認知症の母の言うことに沿うように

なんとかしようと

動いたものだが

 

こんな風に

慣れていって

おふくろも

少しずつ、あきらめて

そして、

少しずつ、わからなくなっていって

 

帰りの時

玄関で

いつもの心配性の言葉

 

「車の運転、、

気を付けてな!」

 

母が

何万回も言った言葉だな

 

おかげで

その何万回の後

事故にあった事は

一度もなかったよ

 

おふくろ

ありがとうよ

 

明日、また面会に行くから

 

なんか

せめて、

ネタになるようなことを

 

ひとつくらい

言ってくれねえかね

 

いっちょまえの

認知症なんだから

 

頼むわ

 

 

 

 

 

 

 

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